56.大宝山蟠龍庵(臨済宗)

更新日:2020年06月23日

東岡屋バス停から徒歩約3分

バス停の北西、富の山東山麓に元篠山藩主青山家の菩提寺「蟠龍庵」がある。ご本尊は、釈迦牟尼如来立像である。
藩祖忠成公は家康の信任が厚く、青山宿を与えられ、関東総奉行として敏腕をふるい、譜代大名となった。次の忠俊公は武蔵国(埼玉県)岩槻城主で、将軍家光の養育役として名高い。また、禅の心を求めて、京都大徳寺の高僧玉室和尚に教えを請うた。子の宗俊公(蟠龍院殿)もまた、その弟子玉舟和尚について参禅している。
宗俊公は、父の改易除封により、不遇な生活を送ったが、後に、御書院番頭・大番頭・信濃国(長野県)小諸城主と昇進し、大阪城代を長年務め、延宝6年(1678)8月、浜松5万石に転じ、翌年2月、76歳で没した。翌8年の夏に生前の望みにより、大徳寺より祥山仁禎和尚を開山として迎え、法名にちなんで蟠龍庵が創建された。
その後忠重公の時、転封によって亀山(現・亀岡市)に移され、さらに寛延元年(1748)忠朝公が篠山へ国替えになった際、前城主形原松平家の菩提所「光忠寺跡」のこの地に移建された。青山家累代の廟所や松平家の残した阿弥陀堂がある。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
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