65.太平山清陰寺(曹洞宗) (33)

更新日:2020年06月23日

後川中バス停から徒歩約3分

国道372号線の日置東の信号を南へ、間もなく、左に迫る弥十郎ヶ岳(715.1メートル)の山腹を縫うように登ると、次第に急坂のカーブが連続する。右側の植林の底には深い谷が時々姿を見せる。そして、古坂峠のやや下部を貫通している城東トンネルを抜けると、明るく安らかな山間の里後川である。
後川小学校より羽束川沿いに西南へ向かうと、「清陰寺」がある。銅板葺きの立派な山門を構え、禅寺にふさわしく本堂・庫裡・坐禅堂が完備されている。
ご本尊は、釈迦牟尼仏坐像(一尺三寸・約39センチメートル)である。
応永30年(1423)、本寺・洞光寺二世澄昭良源和尚を迎え開創された。天正年間(1573~92)に八上城の攻防戦で焼失し、天和2年(1682)、前岩存庭和尚が再興。寛政3年(1791)、老山泰静和尚が寺の位階を改め法地とし、中興のうえ、同5年に現在の建物が完成した。なお、王地山焼稲荷社神酒瓶(町・文)がある。
この後川には、寺は一ヵ寺だけである。すなわち、一村一ヵ寺として今日に至っている。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。