73.山陰道の小野駅跡 (39)

更新日:2020年06月23日

福住小野バス停から徒歩約5分

波々伯部神社から東方へ約1500メートルほど行くと飛曽山峠にかかるが、それを越した小野新あたりに、平安期に制定された『延喜式』による「山陰道の小野駅家」があったとされている。
小野は、古くは小野氏の領地で、文永年間(1264~75)ごろは近隣の5、6ヶ村とともに小野荘として、京都加茂社領であった。
山陰道には古代の30里(約16キロメートル)ごとに、37の駅、230頭の駅馬、75頭の伝馬が置かれて、8ヵ国の国府と都を結んでいた。丹波国には駅馬が大枝、野口、小野、長柄、星角、佐治に各8頭。丹後への支路駅の日出、花(前)浪に各5頭、伝馬が桑田、多紀、氷上郡に各5頭が置かれていた。
駅には駅戸・駅田があり、駅長が統轄し、官用の駅使などのために、休息、宿泊や乗り継ぎ等の便宜を図っていた。
付近の二之坪という地名は、馬糧地の一の坪、二の坪、三の坪の名残りとの説もある。
また、このあたりを馬継郷と言ったが駅伝制からとった名称と思われる。

■山陰道の国
丹波・丹後・但馬・因幡・伯耆・出雲・石見・隠岐の8ヵ国

■山陰道の駅家と駅馬数〔大枝のほか疋(頭)を略す〕
〇丹波国―大枝(京都市西京区)8疋・〈丹波国府(亀岡市)〉・野口(園部町)8・小野(篠山町)8・長柄(篠山町か丹南町)8・星角(氷上町?)8・佐治(青垣町)8
〇但馬国―粟賀(山東町)8・郡部(養父町?)8・養耆(八鹿町)8・山前(関宮町か村岡町)5・射添(村岡町)8・面治(沼)(温泉町)8
〇因幡国―山崎8・佐尉8・敷見8・柏尾8・伯耆国以西すべて5疋

■丹後国府(宮津市)への分岐路
(1)星角?8・日(白)出5・花(前)浪5・勾金5
(2)郡部と養耆の中間(八鹿町)・〈但馬国府(日高町)〉・春野(部)(但東町)5・勾金

■伝馬の数
8ヵ国の各郡すべて5疋

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。