84.左近神社 (46)

更新日:2020年06月23日

草ノ上バス停から徒歩約3分

細工所の交差点から800メートルほど北上した右側の山麓に「左近神社」がある。創立は不詳であるが、草ノ上村丁ノ田ノ坪の古宮から遷座したと伝えられ『丹波志』には周辺七集落の総社としており、荘園の産土神(氏神)と考えられる。別当寺は和光(合)寺・千蔵院であった。
ご祭神は、伊弉諾尊の御子の大山祇神である。武神・海神・山岳神・農業神として崇敬され、伊予国(芸予諸島)には大山祇神社があり、中世より越智・河野・稲葉氏等をはじめ豪族・武将らによって全国的に信仰を集めた。
山間のこの地にふさわしい神社である。隣接の京都府園部町に天暦3年(949)創建、応永26年(1419)造営の本殿(国・重文)をもつ大山祇神社がある。同じ丹波守護職細川氏・守護代内藤氏の関係でご分霊を祭ったのかもしれない。また、左近とは大芋川(篠山川)の左岸にあって、山が左に近く迫ったところにある神社という意味ではなかろうか。
毎年、10月6、7日が秋祭で、両日とも7台の山車が出て、うち5台は太鼓みこしに四輪がつく珍しいものであり、参拝者で賑わう。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。