92.小原の大日堂 (51)

更新日:2020年06月23日

茶屋の上バス停から徒歩約8分

櫛石窓神社から国道173号線を1.5キロメートルほど北上すると小原で、左側に銀杏の大木が見える。この木は「大日堂」の前にあり、雌雄一対で珍しく、高さ約25メートル、目通り雄木は4.2メートル、雌木はさらに大きく4.7メートル、推定樹齢は約250~300年で、町指定の天然記念物となっている。
後ろに八ヶ尾山(677.6メートル)がそびえ、昔このあたりは、三岳修験道行者の登山口で、寺坊も廃松樋山大永寺や戎大黒の石像を祭る廃石像院などがあった。また、北東の毘沙門山には石像の毘沙門天を祭る岩窟があることなど、当時は栄えたものと思われる。堂内には智拳印を結ぶ金剛界の「木造大日如来坐像」が安置されている。大日ヶ尾山中にあったが、三岳廃滅後に移したという。
像高は97.5センチメートル、寄木造り、内刳り、漆箔、彫眼で、幹部は前後に矧ぐが、前面のみ首で割矧ぎし膝部を寄せている。両膝は大きく張って安定、結跏趺坐して端正で円満な顔立ちである。条帛や裳の衣文は浅く簡潔に彫られており、平安時代の作で、県の文化財に指定されている。付近に弁才天社がある。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
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