93.春日神社 (52)

更新日:2020年06月23日

茶屋ノ上バス停から徒歩約30分

小原の大日堂から国道173号線をさらに約1.3キロメートル北上して、三差路を左折すると「春日神社」がある。
『丹波志』に「明徳三年(1392)庚午三月廿六日上棟。大檀那太郎九郎尾張守義治。・・・」とあることから、そのころ藤坂に来住した新田義貞の弟脇屋義助の子尾張守義治が社殿を寄進したものと思われる。
初めは梅田大明神と称していた。これは、現・京都府天田郡三和町中出に、文治5年(1189)、古代屈指の豪族紀氏の先祖を祭るため、ご祭神を、梅田神、春日大明神、西宮大明神として、梅田神社が創建されたのに始まる。その後、権力・人脈・地縁関係などによって、この神社の信仰が広がり、莵原下の梅田神社、高杉の春日神社、友淵の春日神社。それに多紀郡に入って、草山の梅田神社(現・本郷の春日神社)、藤坂・小原の梅田神社と七社になり、梅田七社というようになった。春日神を祭るので、これらを春日神社と称するところもあるわけである。
毎年、5月10日のお田植式には、豊作を祈って、地域の奥深い森の、県下一の巨木、大桂の小枝をその成育ぶりにあやかろうと植えてお祈りするのである。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
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