95.長谷寺妙見堂 (53)

更新日:2020年06月23日

バスの便はなし

国道173号線を北上して、板坂トンネルの手前を左折し、県道本郷藤坂線を約2キロメートル走って、右側を流れる藤坂川の新しい橋を渡り、新装成った参道を登ると、杉林に囲まれ真如寺跡に国指定の重要文化財「妙見堂」がある。現在、「林景山長谷寺」(曹洞宗)に所属している。
真如寺は、北条家時の子孫と言われる上村氏の建立で、江戸中期に廃寺となったが、その鎮守社で山名氏寄進の妙見堂は残ったという。
一間社流造の神社建築で、間口2.1メートル、奥行き1.9メートル(ひさしの部分も含めると3.9メートル)、高さ4.9メートル。長押やつなぎ虹梁、軒回り材が細く、屋根の勾配も緩やかなため、繊細で軽快な外観である。斗きょう・懸魚や柱の特徴のほか、応永6年(1399)の大般若経奉読の板が現存することから、室町初期か中期の建立とされる。
宝暦年間(1751~64)に大規模な補修が行われていたが、平成2年9月、全面的な解体修理が完成し、建立寺の姿に復元された。覆屋の前面と左右両側を格子窓にして、よく見えるように工夫してある。なお、付近に廃深入寺があった。今、虚空蔵菩薩像が残っている。同寺は、元和元年(1615)、長谷寺として引き継がれたのである。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
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