篠山城跡南堀のハス群落の再生・アカミミガメ対策の取り組み

更新日:2023年05月22日

県内有数の規模の群落として知られていた篠山城跡南堀のハスは、2005年ごろに突如姿を消してしまいました。2013年に篠山小学校の児童の皆さんからハスの復活を求める意見をいただき、消滅原因の調査を行ったところ、外来種のミシシッピアカミミガメ(以下、アカミミガメ)による食害が疑わしいことがわかりました。市では、丹波篠山の夏の風物詩を取り戻すため、さまざまな取り組みを行っています。

かつての南堀

かつての南堀

今の南堀

2014年の南堀

アカミミガメとは?

アカミミガメは、もともと北アメリカにすんでいるカメです。1950年代後半から「ミドリガメ」の通称でペットとして輸入され、かつてはデカンショ祭の夜店街でも売られていました。ペットとして飼育しきれなくなって野外に放たれたり、逃げ出したりして、今では市内でもっともよく見られるカメの一つです。

外来種であるアカミミガメは、さまざまな動植物を食べるため、生態系や景観に悪影響を及ぼすことが心配されています。2015年3月に環境省及び農林水産省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」において「緊急対策外来種」に指定されています。

お堀では、準絶滅危惧種のニホンイシガメの住みかを奪ったり、ハスなどの植物やモツゴやヨシノボリなどの在来魚を食べたりすることが心配されています。

成体

成体

幼体(通称ミドリガメ)

幼体(ミドリガメ)

農都ささやま外来生物対策協議会の取り組み

市では2014年から篠山城跡のお堀でアカミミガメの駆除を行っていますが、この取り組みをより推進するため、2015年5月に市民や神戸大学らを構成員とする産官学民連携の「農都ささやま外来生物対策協議会」を設立しました。協議会では、お堀を中心にアカミミガメ等の外来生物の防除調査や啓発イベントなどを行っています。

お堀の外来生物防除調査

お堀では、もんどり網を使った防除調査を年1回程度、日光浴罠をつかった防除調査を通年で月1回程度で行っています。2022年11月時点で累計1,427匹のアカミミガメを防除しました。

南堀のハス群落の再生

かつての一面に広がる風景を目標に、防護柵の設置や土壌改良などの生育環境の改善を進めています。また事業を提案いただいた篠山小学校の児童の皆さんとレンコンの移植を行っています。継続した取り組みによって、2019年に約15年ぶりに南堀でハスが開花しました。

ハス群落の再生の経過

2019年7月8日

2019年7月8日

2019年8月2日

2019年8月2日

2019年8月27日

2019年8月27日

2020年5月29日

2020年5月29日

2020年6月24日

2020年6月24日

2020年10月2日

2020年10月2日

2021年10月15日

2022年10月25日

外来生物の肥料化実験

防除した外来生物を有効に活用するため、肥料化する実験に取り組んでいます。試作した肥料は特産品の黒大豆や南堀のハス群落の栽培実験に施用しています。

市民参加の取り組み

市民の皆さんと一緒に外来生物について考える機会として、防除イベントや学習会を開催しています。また、市民や自治会、まちづくり協議会などが取り組むの防除活動を補助金や罠の貸し出しなどで支援しているほか、市民らが市内で捕獲したアカミミガメの引き取りを行っています。

ため池での学習会

南堀の「かいぼり」

普及啓発

外来生物問題について広く一般の方や子どもたちに関心を持っていただくことを目的に、普及啓発ツールとしてチラシや下敷きタイプの「外来生物ずかん」を制作、農村環境課で配布しています。

さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

農村環境課 創造農村室
〒669-2397 兵庫県丹波篠山市北新町41(本庁舎 2階)

電話番号:079-552-5013
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